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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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ハリーの憂鬱

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短いプロファイルだけで、全体像をつかむのは困難だ。

なぜ、ハリーなのか・・・。
心に傷を持つハリーを、何故選ぶのか・・・そこを聞きたかった。

ハリーは・・・極端に人見知りをする。
ハリーは・・・無理強いをすれば、強風に煽られた焚き火のように暴れる。
ハリーは・・・網戸を引き破る。

勿論、長所も沢山持っている。
しかし、電話でそれを伝えるのは無理だろう。
僕は言葉を飲み込んで、会社の場所を説明した。
柳瀬という里親候補は福岡の郊外、篠栗という所に住んでいるという。
余談だが篠栗といえば巡礼で有名なところだ。
更に、余談だが・・・。二〇年ほど前、有名な寺の住職が、ジャンボ宝くじの一等を、二度も当てて話題になった。


電話する僕の興奮ぶりは、抑えていても隠しようが無く、隣で見ていた設計部の下川君が聞いてきた。

「ハリー・・・里親が決まったんですか?」
「いや・・・未だだけどね・・・今度の日曜日がお見合い。でも、ハリーが良いらしい・・・あのハリーがね。」
「良かったですね〜。上手くいくと良いですね。」
「そこだよ・・・な。第一印象が大事だよな・・・」
作品名:ハリーの憂鬱 作家名:つゆかわはじめ