ハリーの憂鬱
二匹は工事現場の掘削機のように、ドッグフードを食べていた。
僕は静かに近づくと、一メートルほど離れたところに水の入った皿を置いて戻ろうとした。
カラン・・・と音がして振り返った。
多めに・・・と思って入れたドッグフードは既に無く、二匹の目は、お代わりを求めていた。
僕は苦笑いしながらも、胸が痛んだ。余程、腹を空かせていたのだろう。いったい何日ぶりの食事なのか・・・想像に難くない。
空の皿を引くと、家に戻り、再びドッグフードを入れて外に出た。
二匹はシッポをゆっくり振りながら、同じ場所で待ち構えていた。
二匹の前に皿を置いた。掘削機が小さな音を立てて、再び動き出す。
結局、二匹はその皿も平らげると、暗闇へと消えていった