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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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ハリーの憂鬱

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紅葉が終わり、木枯しの季節がやって来た。
ハリーの里親は未だに決まらない。

ハリーはハーネスを着けられ、工具箱の上。
クッションも新しくなった。毛布が一枚。ハリーはそれで、ご満悦。

雨には濡れないが、風は当たる。戸板を立てて、風止めを作ってやった。
軒下には、ホームセンターで購入した犬小屋が、入り手の無いまま放置されていた。

嵐がやって来た。
強風は雨を軒下まで運ぶ。
ハリーはずぶ濡れ。
冬の、冷たい雨は、流石のハリーでも辛いだろう。

僕はハリーをバスルームへ移動させた。
広めの脱衣所があるバスルームだ、ハリーにとって見れば、スイート・ルームだろう。
バスタオルを敷き、無駄かと思ったがトイレシート。
そして、水。
ダブルハングの窓を十センチほど引き上げた。快適なはずだ。
チビ達が落ち着きを無くし、騒いだが、ドアを閉めてロックをした。

嵐は、夜半過ぎから更に激しくなり、枝葉の千切れ飛ぶのが判る。
雨は窓ガラスを激しく叩き、時折、雷鳴が轟いた。

僕は、里親が決まったハイジとラブ(なつめ)の事を想った。
幸せを掴んだ二匹の事を思い描くのは、嬉しいものだ。ただ、それとは別に、今、ここにいるハリーを思えば、何とも言えない気持ちになった。
作品名:ハリーの憂鬱 作家名:つゆかわはじめ