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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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ハリーの憂鬱

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「繋いでいたんですよ」
「ええ・・・そのようですね。首輪が抜けたみたいですね」
「通報した人・・・誰なんですか?ご存知のように、僕の家の周りには民家も何も無いんです。通報する程の事ですか?捕獲しても、繋いでくれたらいいじゃないですか」
「いや・・・我々は・・・通報があれば出向かなければならないんですよ・・・これに署名と印鑑をお願いします」
「何ですか?」
「引き取りに必要な書類です」
「誓約書・・・って、書いてますけど」
「ええ・・・それにサインしていただかないと・・・お渡しできないのですよ」
「・・・・外で飼う場合は紐で繋ぐ・・・予防注射をする・・・飼い主になる・・・金6,000円・・・・何ですか?これ」
「あの子は捨て犬でしょう?」
「此方にも登録しています」
「ええ・・・登録される前に、何度か通報があったんです。二〜三匹の野良犬がうろついて、危険だから捕獲してくれって・・・随分前ですけど」
「・・・・・」
「梅雨川さんが、里親募集の登録を出されていたのは知っていました」
「知ってて、捕獲したのですか?」
「いや・・・通報があれば動かなければ行けないのですよ・・・そういう決まりなんです・・・あとの二匹はどうされたのですか?」
「里親を見つけました」
「そうですか・・・見つかりましたか。良かったですね、引き続き、あの犬も里親募集を続けますから・・・引き取っていかれますか?」
「勿論です・・・でも、この書類にはサインできないし、ハンコも押せませんよ」
「それじゃ、困るんですけど・・・・」
「良く考えてください。誰かが僕の家の前に犬を三匹捨てていった。僕の家に五匹いるのは見ましたか?」
作品名:ハリーの憂鬱 作家名:つゆかわはじめ