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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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ハリーの憂鬱

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僕はI邸を後にした。ハンドルを回しながら、可能性を考察してみた。
I様の友人、田口さんのご主人は転勤の可能性があるため、ずっと犬を飼う事を諦めていたらしい。現在、I様の近所に戸建を所有。小学3年生の男児が一人。三人暮らし。奥様は専業主婦。I様が言うには、温厚で優しい奥様。一番、犬を飼いたがっているのがご主人。求める犬のサイズは十キロ以下。

僕が出した結論。
最後の条件がネックになるくらいなら、渡さない方が良い。
ハイジが可愛そうだ。

その夜、携帯が鳴った。番号が出ている。僕は通話ボタンを押した。

「梅雨川です」
「あ・・・あの・・・Iさんからご紹介頂きまして・・・田口と申します」
「あ、はい。里親さんの件ですね。お電話ありがとうございます」
「ブログも拝見いたしました。写真にあるボーダーの子ですよね」
「はい。性格は頗る良いですよ。人懐こいし、若いから元気です」
「会えますか?」
「勿論です・・・連れて行っても良いですし、僕の会社に来ていただいても・・・どちらでも結構です」
「日曜日は、どちらにいらっしゃいますか?」
「会社です。会社にいますよ」
「では、今度の日曜日に、主人と一緒に会社にお邪魔しても構いませんか?」
「良いですよ。では、今度の日曜日はハイジを連れて行きます。何時ごろ来られそうですか?」
「午前中には窺えますが・・・」
「判りました。では、その時に。ハイジと会って、どうするか決めてください」
「ありがとうございます。今、お返事できなくて申し訳ありません」
「いえ、会ってから決めるのが当たり前ですから。気にしないで下さい」
「では、日曜日に窺います」
「はい。では、お待ちしています」
作品名:ハリーの憂鬱 作家名:つゆかわはじめ