ハリーの憂鬱
第2章 ラブ
翌日、僕は行動に出た。
福岡県は西と東に動物保護センターがある。そして、保健所。
僕はそれぞれの施設に電話を入れると、過去一月に遡って確認してもらった。だが、似た犬種の届出は無いという。
僕は落胆しなかった。飼い主の届出が無い事は予測していたからだ。
捨て犬という事がはっきりしただけで、後の行動も取り易い。
僕は、二つの動物保護センターに保護犬の登録をしてもらい、里親募集の手続きもして貰った。
保健所も同じようなシステムがある。写真を持ち込んで登録してもらった。
チラシを作り、動物病院の壁に貼ってもらう。
そして、インターネットでの里親探し。ペットのサイトにもそういったページがある。福岡に留まらず、近隣の佐賀や熊本のサイトにも登録をした。
また、僕はNPO法人の動物保護団体に僅かながら寄付を続けている。そこにもお願いして、里親募集を呼びかけてもらう事にした。
残るは会社のホームページ。
僕は会社でも単独にブログを持っている。そこで、三匹の事を小説仕立てで書いた。少しでも興味を持って欲しかったからだ。
最初にヒットしたのは、そのブログだった。
三匹を保護して一週間目の事だった。
会社に一本の電話が入った。電話を受けたのは設計の平本君。
「◎◎でございます」
「はい・・・」