ドッグダム(DOGDOM)
「フッ・・・若造・・・死ぬには早すぎないか?」
「さぁ・・・死ぬのはどっちかな?・・・俺を甘く見ると痛い目にあうぞ」
プリンス・ルイスは馬上にいる。その遥か上からティガは話していた。
愛馬のテラも恐怖で尻込みした。プリンス・ルイスは馬から下りると、テラの首筋を軽く叩いた。
「テラ・・・向こうに行って、待ってろ」
テラは、ブルブルッと嘶くと、地を蹴って去っていった。見上げるティガはプリンス・ルイスの二〇倍はある。剣を下段に構えた。
「さぁ・・・ティガよ・・・俺が仕留めてやる・・・かかって来い!」
「グアア〜〜ッ!」
腕が振り下ろされた。
プリンス・ルイスはそれを交わすと剣を一振りした。剣とティガの鉤爪が当たり火花が散った。
再び鍵爪が振り下ろされる。
巨石のような拳が真上から落ちてきた。プリンス・ルイスは転がりながら剣を横殴りに払った。ティガの鉤爪が一つ飛んだ。
ヒュン、ヒュン、ヒュンッ・・・飛ばされた爪が回転しながら飛んでいく。
「アラン、危ない!」
アランは仰け反って、飛んできた爪を交わした。爪は壁に突き刺さり、赤い血が飛び散った。
「ウグァア〜〜〜ッ!・・・爪の一本や二本、掠り傷だぞ・・・ガ・・・ルルゥ・・・」
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ



