ドッグダム(DOGDOM)
ハチベェ・・・既に、この状況は経験済みだ。一度超えたものは、二度目は容易い。ハチベェは更に加速すると濠の手前で大地を蹴った。
「タンッ!」
「おおおっ!・・・飛んだぞ!」
「何?」
「超えるか・・・・・・」
ハチベェは大きく弧を描きながら、ウイングを超えていった。今度は着地する余裕もあった。
「おおおっ!・・・超えおったぞ・・・凄いヤツがいるもんだなぁ、ルイス。ハハハ・・・」
「確かに・・・凄いものを見せてもらいました」
ハチベェは着地すると、渾身の力で丸太を引き抜いた。ウイングがゆっくりと下りていく。ハチベェは手にした丸太でハイナに一撃を食らわした。
「跳ね橋が下りるぞ!皆、続け!」
「おうっ!」
白馬の騎士団は土煙を上げながら、下りかけた南ウィングへと向かった。
ドウッ・・・という音と共に、土煙が舞い上がり大地と城とが繋がった。
白馬の騎士団は蹄の音を轟かせながら城内に流れ込む。ハイナは威風堂々とした騎士団を前に、戦う気力をなくしていた。濠に飛び込んでは、草原に逃げ出した。
「逃げるものは追うな!北の跳ね橋も下ろせ!逃げ道を作ってやるのだ。無駄に殺すな!」
北ウィングの指揮はプリンス・ルイスが取った。
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ



