ドッグダム(DOGDOM)
気球はヘナヘナと情けなく萎んでいった。続いてべっちゃんの乗る気球が降り立った。残りは宙から援護射撃を繰り返す。
「べっちゃん!大丈夫か!?」
「私は、大丈夫っちゃ!・・・・クッキーは!?」
「結構、厳しいね〜」
「何それ〜全然、緊迫感が無いっちゃよ!!」
「打ちまくるぞ!べっちゃん!」
クッキーとべっちゃんは、籠の中から時々頭を出しては矢を放った。
その度にハイナが一匹、また一匹と倒れていく。一進一退の攻防が続いた。
「苦戦しているようだな・・・あの跳ね橋さえ下りれば・・・」
「父上・・・私が行って下ろしてきましょう」
「うむ・・・では、ルイス・・・行って来い」
「私も、お供します」
「そなたは・・・ソルジャー・トラジー・・・行ってくれるか?」
「はい!泳ぎは得意です」
「そうか・・・ではルイスとトラジーで・・・・・」
弾丸が横切った。
「今のは何だ・・・?」
「ハチベェ様です」
「あれが噂のトランスポーターか・・・凄まじい早さだ・・・跳ね橋を飛び越える気だな。はて・・・できるものだろうか・・・」
チャーリー・ジュニア・キングをリーダーにした白馬軍団は、固唾を呑んで見守った。どう見ても、無謀としか思えない。
ルイスは、馬から下りると濠を泳いで渡る準備をした。
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ



