ドッグダム(DOGDOM)
「リンゴ占い」
「リンゴ占い?」
「そうよ。大好きなリンゴで占うの。やってあげましょうか?安くしとくわよ」
「ハハ・・・・別にいいよ」
「あなた・・・・ちょっと・・・・・・」
「えっ・・・・・な、何か見えるの?」
「いい男ねぇ〜〜」
「そりゃ、どうも・・・」
「する?」
「へっ!?」
「避妊手術、済んでるから・・・それに八種混合済よ」
「ハハ・・・・・・・・・ほんと?いいの?」
「冗談でごじゃるよ〜〜〜〜」
もう付き合いきれない。マイクは背を向けた。
占い師チャ子は再びリンゴ占いに専念しだした。
「あじゃ〜〜あじゃ〜〜はじめっち〜〜災いよ〜災いよ〜去れ〜」
「カリッ」・・・・・リンゴを噛む音がした。
マイクは楽屋からハードケースを持ち出した。愛用のギブソンが入っている。占い師チャコの事が気になったので再び覗いてみた。テントの中は、もぬけの殻だった。
「行っちまったか・・・・」
背後から、背筋が粟立つような声が聞こえた。
「ここに・・・おるぞえ〜〜〜〜」
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ