ドッグダム(DOGDOM)
「うん・・・・何でも・・・闇?とか黄色と黒がやってきて・・・死人が出るとか・・・訳の解らない事を言っていたんだ。この敏感な耳で聞いたんだ・・・何となく気になってね」
「いやね〜・・・そんな事、有りえないって。それより、マイク〜早く聞かせてよ」
「OK・・・じゃあ、準備するから待ってな」
マイクはワイエス・フラワーリング・ジェイピー・アイリスとア・ペコ・オブ・ジェイピーに投げキッスをすると楽屋に消えた。
楽屋の更に奥まった薄暗い所に、テントを張ったような犬小屋がある。淡い紫の灯りが漏れていた。マイクはこっそり覗いてみた。
占い師チャコ。王国では人気の占い師で「ドッグダム広場の母」と呼ばれていた。
しかし、この平和な国である。殆どが恋の相談や、子犬が何匹産まれるか・・・などと言ったものばかりだった。
小さな入り口から覗くと、赤や黄色、緑と言った極彩色の衣装を身に着けた占い師チャコが鎮座していた。体が小刻みに震えている。
「・・・ううう〜〜あ〜恐ろしや〜魔界の使者が〜既に舞い降りたぞ〜はじめっち。何とかしろ〜・・・いかん・・・これは、はじめっちも一枚噛んでおる・・・いかん、いかん・・・ヤツの機嫌を損ねてはいかんのじゃ〜〜この、あじゃ・・・いやチャコ様にはどうにもならんぞぇ〜〜」
「もしもし・・・・チャコ」
チャ子は驚いて体一つ分も飛び上がった。
「あ〜もうっ!脅かさないでよ。私、気が小さいんだから〜あなた、シンガーのマイクね。シンガーでマイク・・・冗談みたい。ひゃひゃひゃ・・・」
「悪かったね・・・ところで・・・何やってるの?」
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ