ドッグダム(DOGDOM)
「兄上!・・・私がお供します」
「ラムか・・・・仕方が無い・・・来い!」
「はいっ!」
二匹は力強い蹄の音を残して森の中へ消えていった。
一団は周囲をビーグル族に囲まれて、ゆっくりと河畔に沿って歩き出した。モモコが馬上のべっちゃんに尋ねた。
「ねえ・・・随分と歩くの?砦は遠いの?」
「黙って歩きなさい」
「プリンスと一緒に森に行った子はプリンセス?」
「そうだ。プリンセス・ラム様だ。」
「プリンス・ルイス様ってクールでカッコいいわね」
「・・・・・・・・・」
「私たちを殺したりしないわよね!」
べっちゃんが、弓を構えた。
「何なら・・・今、殺してやってもいいっちゃよ。黙って歩くっちゃ!」
流石のモモコも、口を噤んだ。
小さな森を抜けた。目の前に砦が見えてきた。然程大きくも無い砦は、アリーナのようなドーム型をしている。小犬達がそこ彼処でじゃれあっている。平和そのものだった。
「素敵な街ね・・・ワイエス・フラワーリング・ジェイピー・アイリス」
「そうね、ア・ペコ・オブ・ジェイピー。昨日までのドッグダムも最高だったけど・・・ここは・・・なんて言うのかしら・・・懐かしい街・・・って感じ。故郷に帰ったみたい・・・」
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ



