ドッグダム(DOGDOM)
「・・・・・・・・・・・・・」
「皆も、武器を捨てるんだ。手に負えん。降伏だ」
一斉に剣が放り投げられた。このまま殺されるのか・・・はたまた、奴隷として囚われるのか・・・不安と恐怖が一団の心を支配した。
森の中から白馬に乗った騎士団が姿を現した。蹄が地を蹴る音が近づいてきて、蘭丸達を取り囲んだ。
青い森の住犬達。ビーグル族。興奮した馬が嘶く。
「ドッグダムの犬達だな」
「うむ・・そうだ・・・」
「王が死んだと聞いたが・・・真実か?」
「殺されたのだ・・・ティガとハイナ族に・・・それで、逃れて此処に来た」
「王妃も殺されたのか」
「いや・・・王妃は・・・・ハイナにさらわれてしまった。」
「ティガ・・・とうとう目を覚ましたか」
「我々をどうする?」
「捕らえる。それから先は我が父が決めること。砦までついて来てもらうぞ。」
「貴殿の名前は?」
「プリンス・ルイスだ。父はチャーリー・ジュニア・キング・・・お前の名は?」
「貴殿はプリンスでしたか・・・失礼しました。私は蘭丸と申します」
「礼儀はわきまえているようだな・・・・クッキー、べっちゃん・・・砦まで連れて行け。縄の必要はない。蘭丸とやら・・・クッキーは、この国随一の弓の名手。逃げようとしても無駄だ。一発で心臓を打ち抜かれるぞ」
「それは、先ほど拝見した。逃げたりはしない」
「よしっ!砦まで連れて行って父に引き合わせろ。俺は森を調べてくる」
「プリンス・ルイス!・・・私がお供を!」
「一人で行く!・・・クッキー・・・指揮はお前に任せたぞ!」
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ



