ドッグダム(DOGDOM)
飛んで来た矢は剣に弾き返された。
「シュル、シュル、シュルルルル・・・・・・シュル、シュル」
「シュル、シュル、シュルルルル・・・・・・シュル、シュル」
左右から同時に矢が放たれた。
「くっ!・・・」
蘭丸は左から飛んでくる矢を剣で払い落としながら体を捻った。右からの矢が蘭丸の首を掠めた。
「うっ!・・・」
「蘭丸殿!大丈夫ですか!?」
「くっ・・・掠り傷だ・・・こうも四方から打たれては、適わぬ・・・。皆、身を潜めていろ・・・決して、立ち上がるなよ。」
蘭丸は神経を集中させた。相手が動けば必ず草を踏む。その草の音を聞き取ろうとした。
「サクッ・・・」
「・・・右・・・」
「サクッ・・・」
「ひ・・・左」
「ザ・・・ザ・・・」
「だめだ・・・囲まれている・・・」
蘭丸は剣を放り投げると立ち上がった。
「打つな!見ての通り武器は捨てた。」
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ



