ドッグダム(DOGDOM)
第六章
「蘭丸殿・・・皆をお願いします。それから、トラジーとマイクも頼んだぞ。必ずやレナ様を救い出し、後を追う」
「マスター・サン。そなたの覚悟は変わらぬであろう。だから、引きとめはしない。レナ様を救い出してくだされ。我々は青い森で待っていますぞ。」
「はい、蘭丸殿・・・この命に代えても・・・」
「ソルジャー・マスター・・・俺も連れて行って下さい!」
「マイク・・・気持ちは有り難いが、お前には皆を守って欲しいのだ。」
「トラジーが居れば一〇〇犬力です。だから、俺をお供に・・・・お願いです!」
「マスター・サン。連れて行ってはどうだ。彼は使えると思うが・・・」
「ふむ・・・マイクよ・・・命は惜しくないのか?」
「惜しいです。まだ、やりたい事があるし・・・だから、何が何でも生きて戻りたい」
「成るほど・・・それも真理だな。良いだろう、ついて来い」
「あ、ありがとうございます!」
「俺も!いや、私も連れて行ってください!」
「トラジーまでか・・・・お前はダメだ」
「何故です!?マイクは良くて、何故私はダメなのです!?」
「トラジー・・・これを、お前に遣わそう」
マスター・サンは懐から小柄を取り出すと、トラジーに渡した。
「こ、これは・・・?」
「ソルジャーの印だ。今、ここにトラジーをソルジャーに任命する」
「ええっ!?・・・俺が・・・ソルジャー!?」
「不服か?」
「と、とんでもないです。俺みたいな身分の者がソルジャーに・・・凄い」
「トラジーよ。ソルジャーの心得を伝えておこう。復唱しろ」
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ