ドッグダム(DOGDOM)
「ハハハ・・・約束しよう。良いか、何があっても生き抜けよ!」
「死んでたまるか!」
「おうさ!」
そこ彼処で鍔迫り合いが起きている。三匹一組という組織がうまくいったようだ。ハイナ達は少しずつ、後退していった。一度は狭まっていたハイナの包囲網が、また開き出した。
こちらが押している。優勢だ・・・。だが、驕った気持ちを利用された。
罠に・・・・・・嵌った。
川の中からハイナの一群が這い上がって、手薄になった蘭丸の住処を襲った。数匹のオス犬がレナを護衛していたが数で負けた。王妃レナがさらわれた。
マスター・サンは自分の失態を悔み、己を呪いながら、後を追った。だが、ハイナの逃げ足には適わない。とうとう見失ってしまい、気配すら消えた。
マスター・サンは呆然とした。
賢王ミウと約束をした。何があっても・・・・命に代えても、ミウ様を守ると約束したのに・・・この様は何だ・・・・。ソルジャー・マスター、サンは空を見上げて吼えた。
「ウゥオオオオオォ〜〜〜〜ン!」
その遠吠えが、夕陽で赤く染まるヘヴゥン・ピークスに、悲しく木霊した。
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ