ドッグダム(DOGDOM)
表で奇声が上がった。
「来たか!」
「はい。その様で・・・男共は剣を持て!女は楯を構えよ!」
マスター・サンは表に飛び出た。遅れて蘭丸が、剣を杖代わりにして出て行った。
三本杉はハイナにぐるりと囲まれていた。草むらの向こうに老獪な表情のハイナ達がいた。尖った口先が、彼方此方で見え隠れしている。パサパサのシッポが横に動いた。
「皆、三匹一組になれ!三匹一組で円陣を組め!」
皆、慣れない剣を構えると、背中合わせで円陣を組んだ。ハイナ達の包囲網が少しずつ狭まってきている。緊張が走った。
一匹のハイナが、奇声を上げて飛び込んできた。
蘭丸が飛んだ。と、同時に剣を抜く。地に下りた時には剣を鞘に収めていた。見事なまでの居合い抜きだった。
ドスッっと落ちてきたハイナはピクリとも動かない。マスター・サンは、蘭丸の方が自分より腕は上だと思った。
二匹のハイナが草むらの中から飛んできた。マスター・サンが反応した。
だが、動いたのはマイクとトラジー。見事にハイナを倒した。
「お前達・・・なかなかやるな。立派なソルジャーになれるぞ。何という名だ」
「マイクです。シンガー」
「トラジーです。シェフ」
「そうか。生き延びたら一緒に飯でも食おう!」
「いいですね〜ソルジャー・マスターと食事なんて・・・最高だ!」
「私も光栄です。出来れば嫁も一緒に・・・」
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ