ドッグダム(DOGDOM)
「うむ・・・ハチベェ・・・レナ様を運べるか?」
「私に運べないものなどありません」
「よく言った!・・・レナ様を運んでくれ」
「いずこへ?」
「ちゃらんべえ・蘭丸殿を知っているな?」
「私に知らない配達先などありません。ちゃらんべえ・蘭丸殿。別名「座頭蘭」住処はヘヴゥン・ピークスの麓、三本杉。」
「そこだ。レナ様の命を預けるぞ!」
「お任せあれ。・・・レナ様、私の背中に・・・お掴まり下さい」
「いくら何でも・・・私はハチベェの三倍はありますよ・・・重いですよ」
「レナ様、私を信じて・・・さぁ・・・時間がありません」
レナは恐るおそるハチベェの背中にしがみついた。
「レナ様・・・くれぐれも落ちませんよう・・・では・・・いざ!」
ハチベェはゆっくりと走り出した。重さを利用して加速していく。教会の広場を出る時には弾丸と化した。
マスター・サンは自由になったその体躯をフルに躍動させた。次から次にハイナを倒していく。
「ウオオオォ〜〜〜〜〜ン!」
力の限り賢者の剣を振り回した。鬼神の様なマスター・サンにハイナ達が怯んだ。
「皆、足が動くものは東へ逃げろ!動かぬ者は俺が守ってやる!・・・かかって来い!この卑怯者ども!」
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ