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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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ドッグダム(DOGDOM)

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 ハナビ神父の饒舌な送りの言葉が、凄まじい破壊音で途切れた。

「ガッ、ガッシャ〜〜ン!グァラン、ガラガラ・・・」

 教会の神聖なステンドガラスの窓が割れ、鮮やかな色の破片が床に落ちてきた。落ちてきた破片は更に細かく砕けて辺りに飛び散った。教会は騒然となった。 

「何だ!・・何者だ!」

 割れた窓からは空が見える。そこから恐ろしい巨獣が身を乗り出した。
 身長は五メートルを超えるだろう。巨木のような腕に、巨岩のような太もも。手にも足にも黒光りする、鋭い鉤状の爪がある。巨大な頭と強靭そうな顎。黄色く輝く大きな眼と、引き攣った猫のような表情。何よりも、オレンジに黒と白が入り混じった縞模様が異様だった。
 太くて長いシッポが背後でのた打ち回っている。直撃を受けたら一たまりも無いだろう。見るからに恐ろしい巨獣。背中の毛が総毛立つようだ。

「ウグゥアァ〜〜〜ッ!」  

 巨獣の第一声が教会の空気を劈(つんざ)く。

「ウギャアァ〜〜〜グァ〜ッ!」

 巨獣の第二声で、教会内部はパニックになった。我先に開かれたドアへ向かった。マスター・サンは、王妃レナの前へ出た。

「お前は・・・ティガだなっ!」