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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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ドッグダム(DOGDOM)

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「賢王さまの・・・意地悪」
「こっちへ来い、レナ・・・・寝室に行こう」
「・・・・・はい」

 二匹は寄り添うようにバルコニーから寝室に入った。
 国を掌る王には似つかわしくない程、質素な愛の巣だ。レナは悩ましくベッドに横たわると賢王の寵愛を待った。
 賢王は緩やかな動きで水差しからグラスに水を注いだ。
 レナはその緩慢さが時々じれったく感じる。水など後にして早く抱いて欲しかった。

「賢王様・・・・早く・・・」

 賢王は水をゆっくり味わいながら、その垂れた優しい目で、この世で最も美しい最愛の妻を愛でる。
 気力が充実してきた。大きな尻尾がフサフサと揺れた。

「レナ!」
「あなた!」

 二匹が発した言葉はそれだけ・・・愛の遠吠えが王国に木霊した。