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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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ドッグダム(DOGDOM)

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第二章 賢王ミウ

 ドッグダムに朝がやってきた。
 チッ・・・チチチ・・・・チッ、チッ・・・小鳥達は幸せな一日の始まりを告げるように、柔らかな朝日を浴びて羽ばたく。
 小川のせせらぎはダイヤモンドの輝き。その煌きの下には魚たちが水苔を食んでいる。虫達が葉の裏側から小さな欠伸をしながら這い出てきた。
森の緑は夜露を払い、七色の花達が一斉に綻び出す。
 いつもと変わらない太陽が、東のへヴゥン・ピークスの上に昇った。
 賢王ミウはバルコニーからの眺望に目を細めながら、平和な国を見下ろしていた。

「おはようございます、あなた」
「うむ・・・おはようレナ。今日も素晴らしい朝だな」
「街は活気に満ちております」
「この国の繁栄と平和が私の望み・・・・」
「賢王様のお導きの賜物ですわ」
「ただ・・・足りないものがある」
「足りないもの?・・・・はて・・・民は皆、幸せそうでございますが」
「民は・・・・・な」
「あら、欲しいもの全てがその腕の中にございますわ」
「いや・・・・一つ・・・足らない」
「何でございましょう?・・・・さぞ、難しい願い事なのでございましょうね」
「どうか・・・な」
「おっしゃって下さい・・・何なりと・・・」
「ふっふっ・・・・・・はっ、はっ、はっ」
「どうされました?」
「レナ・・・私達には、まだ跡取りがいない。早く子が欲しいのだ・・・レナ」
「まぁ・・・あなたったら・・・」
「はっ、はっ、はっ・・・顔が赤いぞ」