ドッグダム(DOGDOM)
「マスター・サン・・・あなたは賢王ミウ様の子のような存在でした。賢王ミウ様がこんな形で亡くなるなんて・・・」
「王妃レナ様・・・もったいないお言葉・・・この仇・・・必ず取ってみせます」
教会へ向かって行列が続く。ドッグダム王国の民達は膝を着いて賢王ミウに別れを告げた。
老犬が泣き叫びながら棺にすがった。慌てて、ソルジャーが引き離し、その首を刎ねようとした。
「やめろ!・・・・・・その者は愛すべき民だ。・許してやれ」
マスター・サンはカボチャの馬車から首を出してソルジャーを叱った。ソルジャーは老犬を優しく道端に運んだ。
行列の先頭がドッグダム広場を通過した。閑散としていた広場に、いつの間にか犬だかりができていた。皆、王の棺とカボチャの馬車が通るのを涙ながらに待っていた。
パン屋「淡水」の前にモモコとココがいた。その後ろにはタカコとトラジーの姿もあった。
「信じられないね・・・あの、王様が・・・一体何があったの?」
「急死らしいけど・・・」
「これから、この国は・・・ドッグダムどうなるの?・・・跡継ぎもいないし、だれが国王になるのだろう・・・?」
犬ゴミの中、占い師チャこの姿があった。
「くるぞよ・・・くるぞよぉ〜〜黒い森から・・・悪魔がやってくるぅ〜〜早く逃げねば・・」
「お前は誰だ・・・変な事言うんじゃない!・・・気でも狂ったか。あっち行け!」
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ