ドッグダム(DOGDOM)
ジェリーが先陣を切ったため、次から次にステージへ上がっていく。だが、拍手喝采とまではいかなかった。
皆、ステージに上がるだけはある。上手い。だが、どれも誰かの真似で強烈な個性が感じられない。荒削りでも良いからオリジナリティ溢れるダンサーはいないのか・・・・。
「さて・・・随分と素敵なダンスを披露してもらったけど・・・もう居ないかな?天地をひっくり返すような天才ダンサー・・・今日は封印ですかぁ〜〜〜!?」
カウンター席の女が、ゆっくりと手を上げた。
「私が・・・踊るわ」
「これは、これは・・・・素敵な女性のご登場。嬉しいですね〜〜此方へどうぞ〜〜!」
女は腰をクネクネさせながらステージへ向かう。
「おい・・・あの女だ・・・セクシーだよな」
「あの歩き方・・・相当なものだぜ」
流れ者ダンサー、ハナ。その歩く姿はオス犬達の目を奪って放さない。ステージに上がるステップで、さらにヒップと丸まった尻尾が揺れた。
「歩き方からサマになっているねぇ・・・こりゃあ、相当期待しちゃうぜ〜お名前を、教えていただけますか?・・・レディ・・・」
「ハナよぉ〜」
「じゃあ、レディ・・・ハナ・・・君が今夜の最後のダンサーだけど、自信はあるかな?」
「自信?・・・・そんなものぉ・・・・無かったら上がってこないわ〜」
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ



