ドッグダム(DOGDOM)
「あっ!あなたがあの有名な、占い師チャコ様?」
「あなたのお友達はマイクにフィーバー中だから私のテーブルに来ない?ウォーム・ミルクをご馳走するわ。勿論、シナモンスティック付きでね」
「あ、はい!私、ソラと言います」
ステージは盛り上げっている。マイクのシッポを触ろうと、色んな犬種のメス達がマイクの動きに合わせて打ち寄せる波のように動いていた。
占い師チャコとソラは、ウォーム・ミルクをシナモンスティックでかき回しながらステージに目を向けていた。
「そう言えば・・・・どうして、私の腰を押したのですか?それに、このシナモンスティック・・・まさか、シナモンが好きだという事が判っていた?」
「恋の香り・・・そうでしょう?」
「やはり・・・流石、人気ナンバーワンの占い師チャコ様ですね。何でも判っちゃうんだ」
「大抵の事はね・・・・でも、自分の事は見えないの」
「そうなの?」
「そうなのよ〜。自分が、あの犬を好きかどうかも判んなくなっちゃうのよねぇ〜」
「へぇ・・・意外だなぁ。・・・あっ、居るんだ・・・好きな人」
「どうかしら・・・・すぐお話を茶化しちゃうのよねぇ〜」
「照れ屋サンなのね」
「スッゴイ・・・照れ屋。内に篭っちゃう。だから占い師なんかやっているのかなぁ」
「チャ子様の好きな犬って・・・・ひょっとして、あのモテモテシンガー?」
「・・・・ソラちゃん、私の弟子になりなさい。占い師って結構、儲かるわよ」
「クスッ・・・・あ、ダンスが始まるみたい。きゃ〜どうしよう。ワクワクするぅ」
「ワイエス・フラワーリング・ジェイピー・アイリスとア・ペコ・オブ・ジェイピーよ。二匹ともセクシーな踊りをするわよ」
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ