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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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ドッグダム(DOGDOM)

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 マイクは、占い師チャコの言葉に少しだけ嬉しくなった。得意の笑顔を作って振り返った。占い師チャコは鼻を上に向け、大口を開けてリンゴに齧りついていた。
 

 表の告知板にポスターが貼られた。

「本日、ダンスコンテスト開催。優勝者にはボーン三〇本!」

 仕事を終えて、着飾った犬達が次々とドギーバーに集まってくる。犬種は様々だ。ここは自由の国ドッグダム。犬種の坩堝(るつぼ)だ。別名をビッグ・アップルとも呼ばれていた。後の世で、同じ愛称を持つ街が、ヒト社会で生まれている。
 ドギーバーの看板を潜ると、そこはクロークになっている。クロークはごった返していた。
 ピンクのスーツケースを下げた、見かけぬメスの柴がいる。流れ者ダンサーのハナだった。

「ごめんなさいね〜スーツケース預かってもらえないかしらぁ〜」
「畏まりました。帰りにこのタグを出してください。お荷物と交換いたします」
「ありがとう〜・・・あ、待ってぇ〜。ポーチだけ持っていくわねぇ〜あ、これ、チップよぉ〜取っといてぇ〜」

 クロークの受付け嬢、パグが丸い目を更に丸くした。スーツケースの中身はすべて新鮮な青ピーマンだったのだ。

「あら・・・驚いたぁ〜?あたし、これが無いと生きていけないのよ〜。大事に仕舞っといてねぇ〜〜一つくらいは食べてもいいからさぁ〜」
「あ、結構です。シッカリ保管しておきますから」