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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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ドッグダム(DOGDOM)

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 楽屋では、ワイエス・フラワーリング・ジェイピー・アイリスとア・ペコ・オブ・ジェイピーが今夜着る衣装を選んでいる。どれも派手なものばかりだが、その中でも胸元が大きく開いたピンクのスパンコールを選んだ。照明でキラキラと煌くはずだ。腰の部分が大きく割れていて、尻尾が強調される。男達が熱狂するに違いない。

 ドレスアップを終えたマイクは、愛用のギターを取りに奥の部屋へと向かった。占い師チャコのテントに灯りが灯っている。
 精神的に集中したいマイクは、敢えて無視するかのように目線を外して通り過ぎた。楽器庫からサックスを抱いたアイリッシュ・セターが出てきた。軽く挨拶を交わす。
 マイクはギターの入ったハードケースを持ち上げると振り向いた。
 占い師チャコが、青い顔をして立ち竦んでいた。リンゴを抱いている。

「うあああっ!・・・」
「くるぞよ、くるぞよ〜〜恐ろしい悪魔がやってくるぞよぉ〜〜」
「お、脅かすなよ・・・なんで、いつもそういう現われ方しかしないんだ!普通にしろ、普通に!」
「普通?・・・普通では占い師のオーラが出ないぞよ〜〜」
「それに、普通にしゃべれないのか?・・・それも、普通だとオーラが出ないのか?」
「それより・・・地獄が来ておるぞよ〜〜恐ろしや〜ああ、はじめっち〜何でこんな事をやらせる〜〜ああ、恐ろしや〜」
「勝手に言ってろ・・・・」

 マイクはチャコの術中に嵌るのを恐れてホールへ急いだ。背中からチャコが声をかけた。

「マイク・・・ステージ、頑張ってね・・・後ろの席で見ているわ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・うん。ありがとう」