ドッグダム(DOGDOM)
「名前は?なんていうの?」
「ソラっていいます・・・くちゅっ・・・」
「住まいは?・・・近所の子?・・・あっ、わかった・・・ヒバリーヒルズでしょう?」
「えっ!・・・どうして、判るんですか?」
「だって・・・お嬢様って感じじゃん。ねっ、ココ」
「うんうん・・・セレブ〜って感じ」
「そんな・・・セレブリティじゃございませんわ」
「やっぱり・・・セレブだ・・・あ、そうだ。ソラちゃん、パンも売り切れちゃったから、私達、これからドギーバーに行くの。良かった、一緒にいかない?」
「ホントですか?一度行ってみたかったんです。でも・・・」
「どうしたの?」
「あんまり遅くなると叱られちゃうから・・・」
「セレブね〜・・・その時はイヌタク呼べばいいじゃない。セレブでしょう?」
「ですから・・・セレブリティではございませんわ」
「やっぱり・・・セレブだ。そうしなさいよ。マイクってシンガーがとってもチャーミングなの。それにダンスショウも楽しいわよ。ミルク一杯くらい付き合いなさいよ」
「はい。じゃあ、お言葉に甘えます」
「じゃあ、ココ・・・さっさと店じまいしようか」
「うん・・・楽しみ〜〜ドギーバー」
「あ、私もお手伝いします・・・・くっちゅん」
隣の店から白いミックスが笑顔でやってきた。耳だけがキャラメル色だ。
「おや、もう店じまい?」
「あ、タカコさん。・・・もう売るものが無くなっちゃったから」
「いいわね〜うちはこれからが本番よ〜そちらのお嬢様はお友達?」
「はい。さっき、お友達になりました」
「そう・・・若い子は直ぐにお友達になれて良いわねぇ」
作品名:ドッグダム(DOGDOM) 作家名:つゆかわはじめ