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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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ドッグダム(DOGDOM)

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 ハチベェは見事に南ウィングを超えた。だが、着地に必要なだけのエネルギーは、もう残っていなかった。そのまま芝の上に落ちていく。
 このまま大地と激突すれば、例え、芝の上でも首の骨が折れてしまう。
ハチベェは地面とぶつかる瞬間に少しだけ肩を丸めた。見事な受身だ。
 ハチベェが芝の上をゴロゴロと転がる。衛兵が彼方此方から集まってきた。

「医者だ!医者を呼べ!」

 医者を呼びに行く者。水を持ってくる者。ハチベェを心配して多くの犬たちが彼方此方から集まってきた。


「ハチベェ様!・・・大丈夫ですか!?」
「こ・・・これを・・・賢王ミウ様に・・・・」
「はい。薬草でございますね・・・確かに・・・このハリアーがお届けします」

 ハリーと名乗る黒いミックスが、ハチベェから皮の薬袋を受け取った。
 ハリーはその小袋を大事そうに咥えると、城の中に通じる大門を潜った。

 ハチベェを中心に犬だかりが出来た。誰もが、英雄に触りたがった。

「ハチベェ様・・・見事でした・・・」
「頼みがある・・・・」
「はっ・・・何なりと・・・」
「腹が減った・・・飯が食いたい・・・飯・・・飯を食わせてくれ」
「・・・・はっ!直ちに!」

 皆が、安堵した。
 笑いがこぼれた。