小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ドッグダム(DOGDOM)

INDEX|10ページ/84ページ|

次のページ前のページ
 

「タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ・・・・・・・・・・・」

 まるで小麦色の弾丸だ。弾丸は通行犬を巧みに避けながら、通りを一気に駆け抜けると、ドッグダム城の方へと消えていった。
 
「な・・・なんだ〜今の!?」

「タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ・・・・・・・・・・・」

 ハチベェ。
 隠密のトランスポーター。普段は白いタオルを頭に巻いて農夫をしている。
彼が走る時。それは、ドッグダムの異常事態を意味する。

「タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ・・・・・・・・・・・」

 ドッグダム城は丘の上にある難攻不落の城。周囲にぐるりと濠が巡らされ、城内に入るには北と南の跳ね橋を渡るしかない。その跳ね橋をそれぞれ北ウィング、南ウィングと呼んでいる。南ウィングは城下町へと通じ、その先はヘヴゥン・ピークスへと繋がる。一方、北ウィングは荒涼とした未開の地。その先には黒い森があり普段は誰も近づかない。

 曲がりくねった上り坂を弾丸が走る。衛兵のドーベルマンが慌てて南ウィングを下ろしていた。

「タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ・・・・・・・・・・・」

 ハチベェの首には皮の薬袋が結ばれていた。風圧から目を守るためか、瞼を閉じているようにも見える。
 ハチベェは、ヘヴゥン・ピークスから走ってきた。普通の犬なら丸一日かかる距離だ。それを半日で疾走してきたのだ。