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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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メディカル・ヒストリー・ツアー

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「ちょっと待ちなさいよ! 今何時だと思ってるの? もう夕方よ!!」
 普段は大声など出す事の無いいち子だったが、何故か今日はなんのためらいも無く声を張り上げられた。思いがけない大きな声に自分でも驚いてしまう。
 が、タヌキは一瞬立ち止まっただけで、スタスタとまた歩き出してしまった。
「馬鹿にしてるの、あんたっ!! そのふざけた被り物を取りなさい!」
 いち子は駆け寄ってタヌキの肩に手をかけた。
 タヌキはいち子の手を振り解いていち子に向き合った。
「判ってるわよアナタ。美津枝さんでしょ? それに……」
 いち子は例のビニール袋を拾い上げ軽く捻られただけの口を開いて逆さにすると、生ゴミや紙くず、空き缶やらビンまでがガラガラと音を立てて地面に落ちたのだ。
「ほらやっぱり……。いっつもヘンな時間にゴミを出して、しかもちゃんと分別も出来てない。そんなのはだらしない証拠よ! これじゃあ収拾車の人だって持っていってくれないわ。家の前にゴミが置き去りにされる人の身にもなってよ!」
 いち子はまだ少しゴミが入っている袋をタヌキに投げつけた。
 すると今まで黙っていたタヌキは自分の頭を両手で挟んで持ち上げた。
「うるさいわね、いい子ちゃんぶって。いち子ちゃんだからいい子ちゃんなのかしら?」
 タヌキの頭が取れると、やはり三上美津枝であった。
 どちらかというと男好きのする可愛い顔立ちの美津枝であったが、いち子は普段からタヌキに似ているのよね、と思っていたのだ。
「あたしは朝が弱いのよ。それにここは何? 八時前にゴミ収集にくるのよ。ふざけないでよ、八時前だなんて新聞配達だってやってないわよ!」
「それに分別だなんて、ここに引っ越してくる前には無かったし、カンなんか鉄とアルミに分けろですって? そんなの判るワケないじゃない!」
 そう言うといち子の頭にタヌキの頭を叩きつけた。