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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第三話

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時は流れた。

まどかはいつ生まれてもおかしくないほど大きなお腹をしていた。

いよいよ自分が母親になる日が来ると喜びと不安が混じった気持ちで過ごしていた。
庄屋の次郎佐が尋ねてきて、まどかを自分の家で産ませると連れて帰った。藤次郎もそのほうが安心だし、そう頼もうと考えていたところだったので、渡りに船になった。

「庄屋どの。まどかのことよろしくお願いします」

「任せておけ。奥は経験豊富な女子じゃから大船に乗った気で任せられるがよかろう、まどかさん」

「次郎佐さま・・・ありがとうございます」

やがて二日目の朝まどかは女の子を出産した。

「なんと言うかわいい赤子じゃ!」

助産をした奥が抱き上げてそう言った。子供はすぐにまどかの横に寝かされ対面となった。

「まどかさん、ほれ!そなたのお子じゃ・・・可愛い赤子じゃこと。抱いてあげなされ」

「はい・・・」

少し身体を起こしてその手で生まれてきた子供を抱いた。しわくちゃな顔と本当に真っ赤な肌が赤ちゃんとはよく言ったものだとまどかは眺めていた。