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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第三話

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すぐに傍に来た藤次郎は、

「これが俺の子か!なんと言うかわいらしさ。そしてなんと言ういじらしさ・・・父親とはかように考えられるものなのか・・・」

そういうと涙をハラハラとこぼした。

「藤次郎さん・・・立派に産めてまどかは勤めを果たせました。お約束を守れて嬉しく思います」

「お前もこの子に負けずにかわいらしくいじらしいぞ・・・ありがとう俺の子を立派に生んでくれて。このとおりだ」

藤次郎は頭を下げた。
そして意外な事をまどかの前で話した。

「まどか、聞いてくれ。俺は決心した。ずっとこの子が生まれると知って悩んでいたが顔を見てはっきりと決心が付いたんだ。庄屋どのの勧めていただけた美濃焼きの世話になろうかと思う。まどかはどうだ?」

「藤次郎さん・・・そこまで考えてくれたんですね。まどかに何の不足がありましょう。あなた様にどこまでも着いてゆきます」

「そうか、じゃあすぐに庄屋どのに伝えてくるから・・・」

藤次郎は今までに見せたことが無い笑顔でそう言った。