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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第三話

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駿河にあった先祖代々の墓標に藤次郎とまどかは夫婦になったことを報告した。初めて自分の足で100キロの道のりを歩いたまどかは着いた時にはマメと筋肉痛で足が動かなくなっていた。

「まどか、もう少しだ。頑張ってくれ」

「はい、なんとか」

足を引きずりながら、やっとの思いでたどり着いた墓に手を静かに合わせた。

「藤次郎です。父上、母上、そして藤三郎、わたしはここに居るまどかを嫁に迎えました。これからは家族を作り幸せに生きてゆきます。どうか見守ってください」

「まどかです。藤次郎さんに助けていただきました。これからはわたしが助けてゆきたいと思っています。どうか見守ってください」

「まどか、幸せにするとみんなの前で誓うぞ」

「ありがとう・・・まどかは幸せです」

まだほんの幾日しか経っていないのにまどかは不思議なぐらいこの時代にそして藤次郎との暮らしに自然に溶け込んでいた。
あの夢に出てきた武将が言った「お前にしか出来ないこと」とはこういうことだったのではないかと感じ始めていた。