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つだみつぐ
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novelistID. 35940
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ひとつだけやりのこしたこと

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一睡もできなかった翌日の朝、わたしはメールを出した。

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【さとみへのメール】

やっぱり眠れないや。
からだが冷えていく感じ。穴が開いて風が通るような、冷たくて、何もかもなくして、むなしくて。

どんな感じか、こんなふうに言えば伝わるかな、いま、かりに、そうだね、少し前の私たち、とってもうまくいっていた頃、わたしがもし、さとみにこんなふうに言った、と想像してみて。
「あのね、ほかの女の人にね、好きです、ずっと一緒にいて下さい、って言われた。」
「なんて答えたの?」
「まだ答えてないの。」
「ダメです、って、言わなかったの?」
「だって、かわいそうだし。」
「じゃあ、どうするの?」
「考えてる。」
「その人のこと、好きなの?」
「うん。すごくすてきな人だし、近くにいるし、気が合うし。」
「それで?」
「え?」
「だから、たとえばわたしと別れてその人の方をとる、とか。」
「そしたらさとみがかわいそうだよ。」
「じゃあ、両方とつきあうの?」
「でも、それはまずいし。」
「じゃあ、どうするの?」
「わからない、だって、両方とも好きだし。」
「でも、いつか、決めなくちゃいけないでしょ。」
「いまは決められないよ。」
「いつなら決められるの?」
「半年後ぐらいには・・・」

もしもさとみがわたしからそんなふうに言われたとすると、電話を切ったあと、さとみはすぐに眠れる?

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