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痛いよ

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**「痛いよ」**



6歳下の恋人。

初めて会ったのは図書館で、本を探す綺麗な横顔に見惚れた。
今思えば一目ぼれだったのかもしれない。
小さなカフェバーの店を任され働いているが元来人見知りのせいか友達も少ない。
趣味と言えば映画や本を読むくらいしかなく、休みの日はもっぱら図書館通いだった。
そんな時に出会った。背が高く綺麗な筋肉がついた身体の彼ははどこにいても目立っていた。
最初は見れたらラッキーぐらいの感覚だった。
それなのに行く度に彼を探している自分がいた。
たまたま彼が置き忘れた俺の図書カードを届けてくれたおかげで会話が出来て、お礼にと勤めている店に誘った。
それから、度々彼が店に訪れるようになった。話しているとどんどん彼を好きになる。
彼の時折話す理想や信念や青臭い言葉、何もかも全て愛しくなってくる。

恋人になったのは何時からだったか?

閉店時間を過ぎた店で片づけをしている時に彼がひょっこり顔を出した。
「どうした?」尋ねた俺に彼が言ったんだ。
「今日オレの誕生日なんだ。だからプレゼント頂戴?」
大きな体をして可愛くプレゼントをねだる。そのギャップに笑い出してしまった。
「いいけど今?何なら用意しとくから明日、いや今日か、開店前にもう一度おいで」
言い終わらないうちに体を抱きしめられた。持っていたモップが倒れる音だけが店の中に響く。
「今、欲しい」
抱きすくめられた腕の中でもがくこともなくキスをした。
作品名:痛いよ 作家名:haruya