CHARLIE'S 23
「クゥ〜〜ン・・・・・クゥ〜〜ン」
チャーリーJr.が声のする方へ走る。
「こらこら!そんなに引くんじゃないよ!チャーリーJr.ルイス・・ラム!」
フランクは辺りを見回した。
人の気配が無い事を確かめると、三匹のリードを外した。
チャーリーJr.達が一目散に向かったのは、あのセイヨウボダイジュの木だった。
フランクとアナは三匹の後を追う。
三匹は、大きなセイヨウボダイジュの根元に寄り沿うようにして佇んでいた。
「どうした?・・・何かいるのか?」
フランクが覗き込んだ。
「こ・・・子犬じゃないか・・・この冬空の下で・・・良く生きていたな」
遅れてやってきたアナが覗き込んだ。
見る見る笑顔になっていく。
「んまぁ〜〜何て可愛い子犬なのぉ〜」
アナは子犬を抱き上げて胸に抱くと、自分のコートで覆った。
「クゥ〜〜ン・・・クゥ〜〜ン」
「可愛そうに・・・寒かったでしょう?お家に帰りましょうね」
「アナ・・・アナ!」
「駄目よ・・・こんな可愛い子・・・」
「でも、うちは・・・エンゼルも入れて、既に4匹も居るんだよ」
「あら・・・・ドッグダムには何匹いるのかしら?」
「あれは慈善事業で・・・」
「名前は何がいいかしらねぇ〜〜」
「しょうがないな・・・・・アナが面倒を見るんだよ」
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ