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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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CHARLIE'S 23

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「い、一体・・・どうなるんだ・・・俺達は咬み殺されるのか?」
「怒っているんだよ・・・こいつら、怒って決起したんだ。ちゃんと写真に撮っておけよ。大スクープだ」
「何がスクープだよ・・・」
「言葉がしゃべれない犬達の革命が起きているんだよ。前代未聞だぜ。この記事は頂だな・・・」
「あんた・・・どこの記者?」
「NYポストさ」
「だったら、オレの写真を買ってくれないか?」
「うちのカメラマンも来ているがね・・・良いのが撮れたら買わないでも無い」
「よし・・・よし、よし!・・・あの犬を追いかけよう!」
「ビーグルだな・・・あいつがリーダーの様だ。それに、ルーズベルトと関係もあるようだ。間違いなくスクープだぜ・・・大統領も枠に入れとけよ!」
「任せろ!・・・ひっ・・・お願いだから噛み付くなよ〜〜」


「大統領・・・これは・・・」
「何だね・・・ルーズベルト君」
「はい・・・これは彼らの捨て身の抗議ではないでしょうか?今、アメリカはブラックマンデー以来、未曾有の不景気です。捨て犬が急増して社会問題にもなっています。議会で、殺処分の設備の増設案が出た程です。人道的立場からもそれは却下しました。ですが、路頭に迷う人間達と同じで、犬たちもこんなに多く捨てられていたのです。見てください。どの犬にも敵意は見られません。彼たちの無言の抗議だと思います」
「この大不況の時代に大統領になった私も辛いのだ・・・ルーズベルト君。君の犬好きは承知している。だが、犬の面倒までは見切れないよ」
「チャンスではないでしょうか?」
「チャンス?」
「はい・・・全米が大不況に喘いでいます。ここで、この犬達の命を救えば明日の新聞で大きく取り上げられます。ラジオ局も同じです。そうすれば国民も大統領の聡明さに感動するでしょう。それは国民に希望を与えます。そして、希望は意欲となり目標となっていくのです。大統領の寛大かつ聡明さを打ち出すチャンスだと思います」
「うむ・・・私もこの3月に就任したばかりだ・・・ルーズベルト君の言う通りかもしれん」
「だが・・・どうやってこれだけの犬を助けるのだね?具体案がなければ話にならんぞ」
「あります。今、5年間に及ぶ公共事業を立案しています。それには労働力が必要です。20万人以上の雇用を見込んでいます。ここにいる犬の里親になった者から優先的に受付をします。それでも、決まらない犬達はロックランド郡でしばらく預かります」
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ