CHARLIE'S 23
チャーリーJr.を先頭に、三匹はゆっくりとルーズベルト州知事に近づいた。
SPが銃を構える。
「待て!・・・相手は犬だ。・・・銃を仕舞わないか」
「・・・はい」
SPが銃を仕舞うと、ルーズベルトは前へ歩み出た。
「本当にお前たちが運転してきたのか?・・・・首輪からネームプレートが下がっている・・・似てるな・・・・まさか・・・!?」
チャーリーJr.はゆっくりと尻尾を振った。
ルーズベルトは腰を屈めると、チャーリーJr.にゆっくりと近づき、首輪に付いているシルバーのプレートを確認した。それは、紛れも泣くルーズベルト自身が付けた物だ。Charlie Jr.という刻印がある。
「やはり・・・やはり、そうだ・・・チャーリーJr.・・・お前・・・生きていたのか・・・ありがとう!良く生きていてくれた」
感極まったルーズベルトは、チャーリーJr.をゆっくりと抱きしめた。
「許してくれ、チャーリーJr.・・お前の大事なチビ達も・・・済まなかった」
チャーリーJr.は短く吠えた。
「ワンッ!・・・ウアンッ!」
何処から来たのか、2匹のビーグル犬が走り寄ってきた。
「同じビーグルだな。アメリカン・フォックス・ハウンド・・・チャーリーJr.と同じだ・・・おや?・・・お前達・・・ルイスとラムじゃないか!?ああ、神様!・・・素晴らしい奇跡に感謝します!」
ルーズベルトは天を仰いで涙を滲ませた。
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ