CHARLIE'S 23
「う〜ん・・・正面から何か来たら、ぶつかるかも知れんっちゃね・・・でも、何にも来なかったら大丈夫っちゃ!」
「どうして!?・・・前が見えていないんだろう!?」
「星を見て運転してるっちゃ」
「ほ・・・★星ぃ〜〜!?」
「摩天楼っちゃよ〜・・・星が上に見えていたら障害物は無いって事だっちゃ・・・」
「ベッちゃん・・・お前は天才なのか・・・狂っているのか・・・計り知れない能力の持ち主だな」
「難しい事は判らないっちゃよ〜〜前を見とっちゃり〜〜!ぶつけたらナンシーさんから大目玉っちゃぁ〜!」
「わ、分かった・・・ちゃんと見とく」
「クイーンズボロー橋が見えたら教えるっちゃよ!」
「ま・・・曲がれるかな」
「やるしかないっちゃ!」
「そ、そうだな・・・やるしかないっちゃ・・・いや、無いな」
「スピード上げるっちゃ〜〜〜!」
「無理しなくても良いから!」
ベッちゃんはアクセルレバーを引くと、スロットル全開で走った。
「ガーラ、ガラ、ガラ、ガラ・・・・・・・・ガラ、ガラ」
「すげーぞ!ベッちゃん・・・すげーぞ!」
チャーリーJr.は唯、祈るしかなかった。
その頃、パーク・アヴェニューのウォルドルフ・アストリアホテル。
「フランク、あと20分で合衆国大統領の到着だ」
「そうか、ではロビーへ降りるとしよう」
フランクリン・デラーノ・ルーズベルト。
今は、ニューヨーク州知事。
二年前は上院議員だったがこの3月から州知事となった。
2年前、共にハンティングに出かけていたハーバード時代からの友人、ジャック・レイノルズはフランクの秘書となって、フランクをアメリカ合衆国政府の最高ポジションに据えようと、次期大統領選を虎視眈々と狙っていた。
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ