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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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CHARLIE'S 23

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第17章・言葉なき抗議「後編」

「ガランッ・・・ガラ、ガラ、ガラ、ガラ・・・・・・・・」

T型フードのエンジンが掛かった。
サイドシートにチャーリーJr.・・・バックシートにハチベェ。

「ガラ、ガラ、ガラ、ガラ・・・・・・・・ガラ、ガラ、ガラ」

T型フォードのみならず、当時の自動車は今とは操作方法も異なる。

ベッちゃんは、下駄を履かせた3つのペダルのうち、左側ペダルを半分踏み込んだ。そしてハンドブレーキを緩め、スロットルと点火レバーを調整して、左側ペダルを一杯に踏み込んだ。
T型フォードはクラッチが繋がってローギアに入り、車はゆっくりと動き出した。
水冷直列4気筒。3ベアリング式、サイドバルブで排気量は2,896cc。
20馬力で最高速度は時速70キロ超。

ガレージを出たT型フォードは、イーストリバーを右手に見ながら、軽快に北上して行った。リズミカルなエンジン音が開け放たれた窓から飛び込んでくる。

「ガラ、ガラ、ガラ、ガラ・・・・・・・・ガラ、ガラ、ガラ」

「ベッちゃん・・・上手いものだな。正直、驚いたよ。なぁ、ハチベェ」
「それより、俺は自動車に乗るのも初めてだぜ〜楽でいいなぁ!窓から入ってくる風も気持ちいいや!」
「そうだな・・・でも、ベッちゃん」
「なんだっちゃか!?」
「ベッちゃん、車の操作は随分工夫を凝らした様だけど・・・」
「こうやって、下駄を履かせたらブレーキも踏めるっちゃ!アクセルは手許のレバーっちゃよ。二段階になってるきぃ〜」
「うん・・・それは分かった・・・それよりも・・・ベッちゃんは小さいだろう」
「うん!」
「前は見えているのか?」
「うんにゃ〜全然見えないっちゃよ〜」
「う・・・嘘だろう!・・・ベッ!ぶつからないのか!?」
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ