CHARLIE'S 23
目の前を、保健所の青い車が、ゆっくりと通り過ぎていく。
檻に入れられた犬たちが、悲しそうに泣き叫んでいるのが見えた。
既に諦めているのか、死んだように動かない犬もいた。
「パパ・・・あの犬達はどうなるの・・・?」
「北に煙突があるだろう?」
「うん・・・いつも、黒い煙が上がっている」
「あの黒い煙は、殺されて焼かれた犬たちの魂なんだ・・・酷い事をする」
「パパ・・・人間には良い人間と悪い人間がいるの?だって、デュークは優しくて良い人間だよ・・・僕たちを捕まえて殺す人間もいるの?」
「ルイス・・・デュークは良い人間さ。でも、あれも現実だ。忘れるんじゃないぞ」
「うん・・・」
「パパ・・・手を・・・手をどけて!」
「あ、ゴメン・・・ラム」
「もう!・・・青い車を見損なった〜〜」
「ラム・・・見ない方がいいよ」
「何よ・・・お兄ちゃんまで!」
「あれも、現実なんだ・・・」
「はぁ?」
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ