CHARLIE'S 23
青い車に小さな影が忍び寄った。アンテナの様にピンッと立ったシッポの先が白い。
青い車の後ろに回ったベッちゃんが檻の鍵をこじ開けた。
カチャ・・・・。
また一つ・・・カチャ。
もう一つ・・・・カチャ。
檻から放たれた犬達が一斉に青い車の前方に回る。
男達に襲いかかった。
「ワン、ワンッ・・・ワン、ワン、ワン、ワン」
銃を持った男は、堪りかねて空に向かって引き金を引いた。
「パンッ」
銃声に異常な反応を見せたのがラッキー・ルチアーノだ。
ルチアーノはマシンガンを車から取り出すと、銃声が聞こえた方角へ走った。
その動きたるや、流石に暗黒街のボス。
難を逃れた犬達が四方に逃げ去って行く。
青い制服達はマシンガンを構えたルチアーノの出現に泡を喰った。
「あ・・ああ・・ルチアーノ・・・」
「銃をぶっ放したのはお前か」
「あ・・・いえ・・・犬に襲われたんで・・・ひっ!」
「何だと!?・・・うちのペスカトーレを撃つ気か?」
「ひっ・・・知らなかったんで・・・本当に知らなかったんで・・・」
「とっとと消えろ!」
「ひっ!・・・あわわ・・・」
男達は慌てて空っぽの青い車に乗り組むと、タイヤを軋ませながら逃げ去った。
ルチアーノは、ケッ・・・と唾を吐いて工場へ戻っていった。
「あんた・・・ペスカトーレ・・・っちゃ?」
「お前は・・・?」
「ベッちゃん。チャーリーズ・23のメンバーだっちゃよ」
「革命軍か・・・」
「それ・・・カッコいいチャね・・・革命の戦士・・・チャーリーズ・23。頂くっちゃ」
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ