CHARLIE'S 23
「此処までくれば大丈夫だ」
「ハァ、ハァ、ハァ・・・あなたは・・・さっきの・・・」
「ロッキーだ・・・ロッキー・バルボア・・・気になって後を追って来たんだよ。間に合って良かった・・・傷だらけになったな・・・それにしても良く逃げ切った」
「ロッキー・・・ありがとう」
「他の2匹は?」
「うん・・・僕がオトリになって逃がしました」
「なるほど・・・そういう事か・・・勇気があるな。大したヤツだ・・・もう日が暮れる・・・俺の所に来るか?」
「いえ・・・皆が心配するから・・・帰ります」
「そうか・・・まぁ・・この先なら大丈夫だろう・・・」
「あの・・・お話があります」
「なんだ?」
「実は・・・・・・」
ルイスはロックランド郡に来た理由をロッキーに話した。
ロッキー・バルボアは黙って聞いていた。
ルイスの話が終わると、静かな口調で話し出した。
「なるほど・・・此処は田舎だが、ニューヨークの惨状は聞いている。数は少ないぞ」
「来てくれるんですか!?」
「ああ、お前は命まで賭けてオオカミと戦ったんだ。協力しなきゃ、ロックランド犬の恥だよ。24日の夜中に仲間を連れてセントラルパークへ行こう」
「ありがとう!ロッキー・バルボア」
ルイスはロッキー・バルボアと固い約束を交わして、帰路に着いた。
何時しか陽は沈み、星が輝いている。
体中、傷だらけだ。だが、痛いとは思わなかった。
自分が少しだけ大人になった気がした。
線路の先に、見慣れた3匹の姿が現れた。
「パパ?・・・パパッ!」
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ