CHARLIE'S 23
即死だったろう。
「何だ・・こんなのって・・・嘘だ」
ミックスが路地へ逃げ込んできた。
「た・・・助けて!」
「一体、何があったんだ!?」
「食べ物が無いから・・・肉屋を襲った犬がいたの・・・それで、人間達が怒って・・・銃で・・・助けて!」
チャーリーJr.は、ミックスをジムに託すと再び様子を窺った。
人間達が闇雲に撃ちまくっている。
犬の数が多いから、銃口を何処へ向けても当たってしまう。白かった道路が真っ赤に染まり、血の匂いが漂ってきた。
「止めろ!・・・止めるんだ!撃つんじゃない!」
チャーリーJr.は道路に飛び出て立ちはだかった。
「止めろ!・・・撃ったら駄目だ!」
「パンッ!」
「ウッ・・・」
チャーリーJr.は、何が起こったのか判らなかった。
次の瞬間、体中に激痛が走った。
太ももに小さな赤いシミが出来ている。
撃たれた。
「パンッ!」
「ハウッ・・・!?」
銃弾が胸を打ち抜いた。
「や・・・止めろ・・・お願いだから・・・打たないで・・・俺達は・・・敵じゃないんだ・・・撃たないで」
落ちていく・・・暗闇へと落ちていくのが分かった。
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ