CHARLIE'S 23
第13章・「白昼夢」ブルックリン
チャーリーJr.はマンハッタンを南下するとブルックリン橋に入った。
この、1883年に完成したゴシック風の吊橋は、アメリカ最古である。
お供がいた。
以前、チャーリーJr.が、ダウンタウンでマフィア犬から救ったミックスのジムだ。
以来、ジムは恩返しとばかりにチャーリーJr.の足となって奮闘していた。
二匹は長さ1,834メートルもあるブルックリン橋を小走りで渡っていった。
ブルックリン橋は文字通りブルックリン区へと繋がっている。
橋を渡り切ると、街の中心部へは行かずに、川沿いを廻った。
ブルックリンはマンハッタン以上に犬達で溢れかえっている。状況だけ見れば、ブルックリンの犬達の方が悲惨な状況かもしれない。
だが、1週間後に控えた決起の為の犬集めには、逆に幸いしたと言えそうだった。
「ジム・・・一匹ずつ当たっていたんじゃ間に合わない。何処かに、人目につかない広場は無いか?」
「あります。この先に大きな埠頭があって、そこは倉庫だけです。夜になったら人間は居なくなりますよ」
「其処だ・・・ブルックリンにはボス犬は居ないのか?」
「ブルックリンは犬種が入り混じっていて・・・纏める犬は居ないみたいです」
「じゃあ、地道にいくしかないな・・・ジム・・・手当たり次第に説いて回るぞ。犬達が集まりそうな場所は?」
「・・・コニーアイランドです!」
「連れて行ってくれ」
「はい!こっちです」
夜まで未だ時間がある。
チャーリーJr.とジムは、コニーアイランドに向かってブルックリンを南下していった。
途中、捨て犬らしき犬を見つけては道連れにした。
コニーアイランドには、出来たばかりの遊園地がある。人影は疎らで、行楽客を目当てに出来たレストランやパブも閑散としていた。
チャーリーJr.とジムは、人目を避けて建物の影を伝っていった。
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ