CHARLIE'S 23
第12章・チャーリーズ・23
ちゃらんべえ・蘭丸の魂を胸に22匹の犬達が動き出した。
マンハッタンの南から・・・ダウンタウンはチャイナのタカコ。
ミッドタウンはコリアのトラジー・ボス。
ウエスト・サイド・・・ダムダム団のマイク。
イーストサイド・・・ベッちゃん。
アップタウン・・・ソラ、モモコ、ココ。
ブロードウェイ、XXX特殊区域・・・サンネェ。
オフ・ブロードウェイ・・・アヅキ、ペコ、ハナ。
セントラルパーク広域・・・ミウ、ゴン、アラン、ハナビ、ロク。
ハーレム・・・チャコ、ラム、ルイス、クッキー。
皆の持ち場が決まった。
ハチベェはそれぞれのセクションを繋ぐ連絡係りとしてマンハッタン中を走り回る。
ニューヨーク一の俊足ランナーとして、その能力を発揮した。
集合は11月25日、午前零時、セントラルパーク。
あと一週間しかない。皆、自分のエリアを必死で決起を促して走り回った。
二匹・・・また二匹・・・小さな単位だが、賛同犬の数は加速して増えていく。
トラジー・ボスはその日から姿を消した。マフィア犬の警戒が更に厳しくなってきたからだ。トラジー・ボス水面下で動いた。
だが、元々正体を明かさずに組織を作っていたトラジー・ボスにとっては、然程の支障もなかった。
タカコが担当するチャイナタウンはマフィア犬と背中合わせだ。
タカコにとって幸運だったのは、面が割れていない事だった。飯店の飼い犬?がりで着実にグループを形成していった。
タカコはその気になれば何でも出来る事を知った。
マイクのグループは当初の予測を遥かに超え5,000匹の大集団になっていた。
マイクはそれを50個の師団に分け、それぞれにリーダーを置くことで混乱を防いだ。
彼の代名詞だった「ワル」のレッテルは剥がされ、皆から頼られる存在に変わっていった。
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ