CHARLIE'S 23
第10章・2Years ago(2年前)
マンハッタンから北北西へ約60キロ。ハドソン川上流の西に、広大な敷地面積を持つ州立公園がある。
ベアー・マウンテン・ステート・パーク(Bear Mountain State Park)。
大自然の中、ライフルを肩から提げて猟を楽しんでいる三人組がいた。
州立公園となって間もない自然公園は、限られたエリアでの猟が許可されていた。
遠くで猟犬の声がする。その声は少しずつ近づいてきた。
「来たか・・・・」
男達はライフルを構えた。
猟犬たちが獲物を見つけたらしい。此方に追い込んでいる。
40代前半。大柄の男がライフルを丘に向けて構えた。
「ウワァンッ、ワン、ワ、ンワン・・・ウワァンッ、ワン、ワ、ンワン」
一瞬の静寂。
丘に黄金色に輝く狐が姿を現した。男は静かにトリガー(引き金)引いた。
「ドゥーーンッ〜〜〜!」
ライフルの咆哮が木霊する。小さな煙が立ち上がった。
「ウワァンッ、ワン、ワ、ンワン・・・ウワァンッ、ワン、ワ、ンワン」
7頭のアメリカン・フォックス・ハウンドが、怒涛の如く、草をなぎ倒しながら逃げ去ったキツネを追いかけて行った。
「今のは完璧に命中していたな・・・犬たちも最高の追い込みだったよ」
男の名前はフランク。
休日に、訓練された猟犬を使ってキツネ猟をやるのが趣味だった。
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ