CHARLIE'S 23
突然、外からの攻撃を受けたブラッコ・イタリアーノ(イタリア犬。大型のビーグルのようで尻尾が短い)が怯んだ。
「だ、誰だ!・・・コリアの仲間か!」
チャーリーJr.はブラッコ・イタリアーノの短いシッポに食いついた。
「ギャン!・・・・・・キャン、キャン、キャン」
ハチベェも負けてはいない。
相手の鼻先をガブッっと、噛んでは身を引く。その速さたるや目にも留まらない。
再び、違うブラッコ・イタリアーノの鼻先をガブッっと噛んでは逃げた。
7匹のマフィア犬は総崩れした。その隙にコリア犬達が捨て身で体当たりした。
ブラック・イタリアーノは敵わぬと思ったか、一目散に南へ逃げ去っていく。流石に足は速かった。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・誰だか知らないが・・・助かったぜ・・・ありがとう・・・ハァ、ハァ」
「随分、やられたな・・・耳から血が出ているぞ」
「ハハ・・・これくらい・・・何時もの事さ」
「そんなに頻繁に諍いが起きているのか?」
「そうでもなかったんだけど・・・ここ一月・・・たたみ掛ける様に襲ってくる・・・礼を言うよ・・・俺はチャンだ・・・あなたは?」
「ハーレムのチャーリーJr.だ。それに・・・」
「ハチベェだ・・・ハチって呼ぶなよ・・・先に言っとく」
「あなたが・・・チャーリーJr.・・・・ボスから迎えに行くように言われて来たんだ。そしたら、あいつらがいきなり・・・とんだお迎えになってしまいました」
「ハハハ・・・その分、お近づきになれたな」
「はい・・・もう充分。トラジーさんの処へご案内します」
2ブロック南を右へ曲がるとキムチの店があった。その店と隣のビルの間を入と、
鉄の階段がある。
「この上です。俺たちは立ち入り禁止だから・・・ここで失礼します。」
「そうか・・・意外と厳しい犬のようだな・・・ハチベェ・・・行こうか」
「はい・・・」
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ