CHARLIE'S 23
「ブルックリンです・・・ジムって言います」
「元々はマンハッタンか?」
「はい・・・ビレッジのアパートに・・・でも、ご主人様達は引っ越していました・・・」
「そうか・・・とに角、食い物を捜してくるから、此処でジッとしているんだぞ」
「ハハ・・・もう、動けません・・・」
「其処に居るのは・・・誰?」
突然の声に、二匹は身を屈めた。
「誰なの?・・・そこに居るのは?」
白いミックスが近づいてくる。チャーリーJr.は路地に出た。
「ハーレムのチャーリーJr.だ」
「そう・・・随分と遠い所から来たのね。ハーレムの犬がどうして此処にいるの?」
「それで、困っている」
「困っている?・・・どうしたの?・・・話して・・・このミックスは?怪我をしているの?」
チャーリーJr.は事の経緯を話した。
「そうだったのね・・・ここひと月おかしいなって思っていたの・・・それに、お隣はギャングがウジャウジャでしょう。ご主人の珍さんも嘆いているわ。待ってなさい、饅頭くらいならあるから」
「ありがとう。恩にきるよ・・・君の名前は?」
「タカコよ。タ・カ・コ。・・・直ぐに戻るわ・・・」
そういい残して、タカコは路地の影へと姿を消した。
「救われたな」
「はい。神様に感謝します・・・オー・マイ・ドッグ」
程なくタカコは饅頭が入った籠を咥えて戻ってきた。
籠ごと、ミックスの前に置く。
「さぁ・・・食べチャイナ」
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ