CHARLIE'S 23
第5章 オフ・ブロードウェイ
コットンクラブの楽屋裏。その小屋にチャーリーJr.ファミリーは暮らしている。
笑顔のデュークが、スゥイングしながら入ってきた。
「ハーイ!・・・調子はどうだい?」
チャーリーJr.はシッポを振って応えた。
「グッド・・・OKだな・・・チャーリーJr.・・・街には捨て犬たちが溢れかえっているぞ。保健所もてんてこ舞だ。でも、犬たちも賢いもんだな・・・いやな、昼間はシンと静まり帰っているのに、夜になったら何処から溢れ出てきたのか、犬たちで一杯さ。夜のニューヨークは犬たちに支配さたって、皆、冗談を言っているよ・・・チャーリーJr.・・・これから、オフ・ブロードウェイのシアター・リナまで行くんだが・・・どうだ、一緒に来るか?」
チャーリーJr.はシッポを千切れんばかりに振った。ルイスとラムもそれに習う。
「う〜〜ん・・・三匹はちょいとキツイな・・・すまんな、今日はチャーリーJr.だけだ。ルイスとラムは・・・また、今度な」
グルグルと回っていたルイスとラムの尻尾がヘナッと下がった。プイッっとそっぽを向く。
「ハハ・・・そんな、露骨に表現するなよ・・・行こうか・・・チャーリーJr.」
「ルイス・・・ラム・・・丁度、いい機会だ。ミッドタウンの様子を見てくるから、外には出るんじゃないぞ」
「はい、パパ」
「お前達は・・・自慢の子だ」
「此処で大人しくしとくから、心配しないで」
「じゃあ、行ってくるからな」
チャーリーJr.はデュークのスゥイングする背中を追った。
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ